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ひと味違う!アイガモ農法の有機米を食卓へ

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【就農に意欲ある若者も-課題は受け入れ姿勢の不備-】 読売新聞宮城版(2004.12.3)

 ■□□子どもたち
農薬を使わない米作りをしている阿部さんは、三百羽のアイガモを田んぼに放ちますが、それだけでは除草が追いつかないので、毎日五時間以上も田んぼで草取りをしました>
 米作りを紹介するNHK教育番組「おこめ」。漫画家・日高トミ子さん(28)が農業生産法人「板倉農産」(南方町)専務・阿部善文さん(38)への取材を始めたのは、この番組を見たことがきっかけだった。
 「プロ野球選手やパイロットなど、具体的な将来の夢を抱き始める小学生のころに、『農業は面白い』という原体験をしてもらうのは、未来の担い手を育てる良い機会だと思う」
 そう話す阿部さんは、同番組への出演のほかに、仙台市芦の口小の児童を農業体験で受け入れたり、地元・南方町の小学生と一緒に農作業したりと、精力的な活動を続けている。
 
■□□進む離農
 「顔の見える農業」。阿部さんが目指す米作りは、消費者の声を直接聞くことを何よりも重んじる。
 実家で就農したのは1990年。減農薬や無農薬の米作りに取り組み、3年後の93年、国が当時特例的に消費者への直売を認めた「特別栽培米」の生産を他に先駆けて始め、96年に法人化を成し遂げた。
 現在、約20ヘクタールすべてで卸売 業者や消費者の注文に応じて品種や農法を決める契約栽培を行い、「こころまち」「春陽」など県内では珍しい品種も手掛けている。就農時に2000万円あった借金は返済を終えた。
 しかし、高齢化や経営破たんで離農する近隣の農家を見るたびに、やりきれなさも感じてきた。
 「就農した時、『地域で一番若い担い手』と言われていた。でも、今でも自分が一番若い」

■□□受け入れ態勢
 その若者と出会ったのは数年前のことだ。「おれは農業をやって身を立てたい」と訴える姿に阿部さんは「この若者なら、自ら退路を断って突き進めば、実現できる」と確信めいた思いを持ったという。
 阿部さんはこれまで、県農業実践大学校、岩手大、東京農大などから十数人の農業研修生を受け入れてるが、唯一高校中退者だったその若者を含め、実家が農家ではないのに就農を望む若者たちは特に強い意欲を持っている、という。問題は、農地もノウハウもない彼らを受け入れる態勢が整っていないこと。若者も現在、わずかばかりの畑地を借り、細々と野菜を作っている状況だ。
 「第二の人生で農業を選ぶ中高年も含め、意欲ある人たちを幅広く受け入れられれば、後継者問題にも光明を見い出せる」。阿部さんはそう強調する。
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